子どもの成長に欠かせない栄養素といえば、「カルシウム」と「鉄」です。
「カルシウム」は、強い歯や骨を作る材料となるだけでなく、筋肉の収縮や神経を安定させる作用もあります。
また、「鉄」は、赤血球を作る材料になり、全身に酸素を運ぶ役割があります。
この2つの栄養素は、幼児期の子どもにとって積極的に摂取したい栄養素ですが、実際は多くの子どもたちにとって不足しがちな栄養素でもあります。
さらに、食品の中には「カルシウム」と「鉄」の吸収を阻害してしまう成分を含むものがあることをご存じでしょうか。
その成分は、身近な食品の中に存在し、知らないうちにたくさん摂取して「カルシウム」と「鉄」の吸収を阻害している可能性があります。
そこで今回は、「カルシウム」と「鉄」の吸収を阻害する成分についてご紹介します。
「カルシウム」と「鉄」の吸収を阻害する成分とは
「カルシウム」と「鉄」の吸収を阻害する成分とは、ずばり、「リン」と「タンニン」です。
「リン」はミネラルの一種で、骨や歯を作る材料となる栄養素です。
「タンニン」はポリフェノールの一種で、抗酸化作用のある成分です。
どちらも体に良い働きをするのですが、過剰摂取により「カルシウム」や「鉄」の吸収を阻害してしまうという側面もあるので注意が必要です。
では、「リン」と「タンニン」について詳しく説明します。
「リン」について
「リン」は「リン酸塩」という食品添加物として、食品の乳化や結着、保存性をよくするために多くの加工食品に利用されています。主に、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水、ソーセージ、ハムなどに使われています。
「リン酸(Na)」や「リン酸塩(K)」などと表示されていることもあれば、「乳化剤」や「酸味料」、「イーストフード」などの一括名として表示されていることもあります。
「リン」は人体に必要な栄養素ですが、一方で摂りすぎると「カルシウム」や「鉄」の吸収を阻害してしまいます。
また、「リン」は肉や魚介類、穀類や豆類などのさまざまな食品にも含まれているため、普段の食生活でリンが不足することはほとんどなく、むしろ過剰摂取に注意をしなければならない栄養素です。
「タンニン」について
「タンニン」は緑茶やウーロン茶、紅茶やコーヒー、渋柿などに多く含まれている渋み成分です。
「タンニン」は抗酸化作用があり、人体にとって良い働きのある成分ですが、一方で「鉄」と結合して鉄の吸収を阻害します。
ただし、コップ1杯飲んだからと言って、直ちに悪影響が現れるわけではありませんが、1日の水分補給の多くを、「タンニン」を含む緑茶やウーロン茶、あるいは紅茶にするのは、「鉄」を補給したい子どもたちにとっては避けた方がよさそうです。
「リン」や「タンニン」を摂りすぎていないか食生活を見直してみよう
子どもの成長にとって欠かせない栄養素である「カルシウム」と「鉄」を少しでも多く吸収できるように、これらの栄養素の吸収に悪い影響を与える食品の過剰摂取は、できるだけ避けるようにしたいです。
例えば、加工食品やスナック菓子をたくさん食べているお子さんは、パッケージの食品表示を確認して、食品添加物の少ないものを選んだり、子どものお菓子はフルーツや甘栗、干し芋などにしたりしてみてはいかがでしょうか。
また、食事中に緑茶やウーロン茶を飲んでいるお子さんは、麦茶や牛乳に変えてみてはどうでしょうか。
食事は楽しくいただくことが最も大切なので、あまり神経質にならない程度に、変えていけるところは見直してみましょう。
また、化学合成添加物を使用しておらず、幼児期の栄養を考えて作られている、冷凍幼児食「LUCE」を活用するのも良いですね。
「カルシウム」や「鉄」を補給できるLUCEのメニュー
・隠し味の魚粉はカルシウムたっぷり!「ぱくぱく!きのこの炊き込みご飯」
・カルシウムと鉄の両方を含んでいるひじきと豆腐をたっぷり使った 「ひじき入り 豆腐ハンバーグ」
・カルシウムと鉄がたっぷりの高野豆腐を使った「骨取カレイと高野豆腐の煮付け」
参考文献
児童生徒の食事状況調査報告書(独立行政法人日本スポーツ振興センター)
阿知和 りか