3大栄養素の1つである「たんぱく質」は、筋肉や骨を形成する栄養素としてよく知られていますが、実は「心」の症状にも深く関係していることはご存じでしょうか。
最近、子どもがイライラしたり、落ち着きがなかったりといった症状が出ている場合、その原因の一つとして、たんぱく質不足が関係しているかもしれません。
今回は、子どもの心の不調を改善することが期待できる「たんぱく質」について解説します。
たんぱく質の働き
たんぱく質は、人の体の重要な構成成分の一つで、筋肉や骨、髪の毛や歯などの様々な組織をつくる材料になります。
さらに、たんぱく質は脳内で情報を運搬する「神経伝達物質」の材料にもなります。
神経伝達物質には、心を落ち着かせる「セロトニン」や意欲や学習能力をつかさどる「ドーパミン」などがありますが、たんぱく質が不足してこれらの分泌が減ってしまうと、集中力の低下や不安障害、うつといった症状が現れるのです。
つまり、適切な量のたんぱく質を継続的に摂取することが、心の安定につながるということです。
たんぱく質の推奨量は?
それでは、1日にどのくらいの量のたんぱく質を摂取すればよいかを見ていきましょう。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、3~5歳の幼児の場合、1日25g、6~7歳で1日30gのたんぱく質を摂取することが推奨されています。
しかし、食品中に含まれているたんぱく質の量を毎回計算するのは大変ですよね。
そんな時に便利なのが「手ばかり」です。
大人の手のひらサイズの「肉や魚を使ったたんぱく質のおかず」は、およそ20gのたんぱく質が含まれています。つまり、幼児の場合、1日に必要なたんぱく質の量は、25~30gなので、朝、昼、夕の食事ごとに大人の手のひらの半分程度の「たんぱく質のおかず」を食べれば良いと考えると覚えやすいですね。
いつ食べるのがよい?
たんぱく質は1度にたくさん摂取しても体に貯めておくことができないため、1日3回に分けて摂取することが大切です。
中でも特に注意が必要なのが、朝食です。
朝は食事の準備をする時間がなくて、子どもの朝食がおにぎりや菓子パンだけになりがちです。たとえフルーツや野菜をプラスしたとしても、たんぱく質は足りていません。
さらに、筋肉は絶えず分解と合成を繰り返しているので、寝ている間に不足したたんぱく質を朝食で補う必要があります。
よって、朝は意識的にたんぱく質含有量の多い、肉や魚、豆類や乳製品などを子どもの食事にとり入れてあげましょう。
「1/3日分のたんぱく質」を摂取できるLUCEのメニュー
・たんぱく質11gが摂れる「本格☆デミグラスハンバーグ」
・たんぱく質10gが摂れる「白身魚のやさしいマリネ」
<参考資料>
・日本人の食事摂取基準(2020年版):厚生労働省