人の体に含まれる水分量は大人で体重の50~60%、子どもの体は約65~80%が水でできています。
この体の水分量を保つために、尿や汗で体外に排出してしまった水分は、口から補給する必要があります。
では、水、お茶、牛乳、ジュース、炭酸飲料などの様々な飲み物の中から、何を、いつ、どのくらい飲ませればよいのでしょうか。
「何を、いつ、どのくらい」と言われると途端に迷ってしまいますよね。
特に、幼児の場合、保護者がしっかり体に入れるものを管理してあげないと、甘い飲み物ばかりを飲みすぎてしまったり、水分補給を忘れて脱水傾向に陥ってしまったり、野菜ジュースだけで野菜が摂れていると勘違いしてしまったりと、危険がいっぱいです。
そこで今回は、シーン別に最適な飲み物をご紹介します。
朝起きた時
寝ている間、子どもは汗をかき、また尿は作られ続けているので、朝起きたときには軽い脱水の状態になっています。
そこで、朝起きたらまずうがいをしてからコップ1杯の水又は麦茶を飲みましょう。
起床後すぐに水分を摂取することで、胃や大腸が刺激され、便が出やすくなるというメリットもあります。
朝起きたら「うがい」→「水を飲む」→「トイレに行く」という行動を毎日繰り返すことで、体に必要な水分補給と快便な習慣を身につけることができます。
食事の時
食事と一緒に飲む飲み物は、水又は麦茶が基本で、メニューによっては牛乳や豆乳もオススメです。
食事のメニューでたんぱく質が足りないと感じるときには、牛乳や豆乳でたんぱく質の栄養を補ってあげると良いでしょう。
牛乳と豆乳の違いは、牛乳は動物性のたんぱく質の他に、カルシウムやビタミンAが多く含まれており、豆乳は植物性のたんぱく質の他に、イソフラボンや鉄分が多く含まれています。
牛乳と豆乳どちらを飲めばよいかというと、どちらにも異なる体に良い成分が含まれているので、どちらかだけに偏るのではなく、食事のメニューや気分によって、両方を飲み分けるのが良いでしょう。
また、食事にお味噌汁やスープなどの汁物があるときには、そこから水分補給ができるので、無理に追加して水分を摂取する必要はありません。
お味噌汁やスープに入っている野菜が苦手なお子さんでも、野菜に含まれる水溶性ビタミンやミネラルなどの栄養素は汁に流れ出ているので、汁だけ飲んでも栄養補給と水分補給の効果はありますよ。
おやつの時
幼児のおやつは、3度の食事で補いきれない栄養素を補給する役割があります。
そのため、スナック菓子やチョコレートに甘いジュースでは、健康な体は作られません。
おやつの時間にオススメな飲み物は、牛乳、豆乳、野菜ジュースなどです。
牛乳と豆乳は前述したとおり、良質なたんぱく質などの栄養素を補給できます。
また、野菜が苦手な子どもには野菜ジュースを飲ませているご家庭も多いと思いますが、気を付けたい点としては、糖分が多いことと、生野菜と比べると食物繊維はかなり減ってしまうことです。
野菜ジュースで多少の栄養補給はできますが、過度な期待は禁物です。
1日コップ1杯までにして、飲みすぎないように注意しましょう。
運動中や運動後
子どもが公園で遊ぶ程度の運動であれば、水分補給は水や麦茶で十分です。
ただし、激しい運動をして大量に汗をかくときや、夏に野外で活動するような場面では、水や麦茶と併用してイオン飲料や経口補水液などの電解質を含んだ飲み物を一緒に摂取するのがオススメです。
もし経口補水液が苦手なお子さんは、経口補水液にりんごジュースを少量加えてあげると飲みやすくなりますよ。
これからの季節、気温がどんどん上がってくるので、子どもの熱中症対策としてもイオン飲料や経口補水液は有効です。
ただし、イオン飲料の中には糖分を多く含む物もあるため、飲みすぎには注意しましょう。
寝る前
子どもがリラックスして眠るのにオススメなのは、白湯又はホットミルクです。
温かい飲み物は、体の中から温めてくれます。
また、牛乳の中には睡眠を助けると言われているセロトニンの材料になるトリプトファンが含まれているので、脳をリラックスさせて入眠を促します。
小さい子どもの場合、次の日が発表会で緊張して夜眠れないとか、悲しい出来事があってなかなか寝付けないときなどにはホットミルクを作ってあげると良いですね。
お母さんやお父さんが子どものために温かいミルクを作ってくれて、一緒に隣で寝てくれたら、子どもは安心してぐっすり眠れそうですね。
幼児にNGな飲み物
コーヒーや紅茶にカフェインが含まれていることはご存じだと思いますが、ウーロン茶やほうじ茶、玄米茶にもカフェインが含まれていることは知らない人もいるようです。
知らずに子どもが少量飲んだからといって、直ちに悪影響が出ることはありませんが、水分補給として大量に飲んでしまったり、夜寝る前に摂取すると、眠れなくなったり、カフェインがカルシウムの吸収を低下させたりするなどの悪影響が懸念されるため、カフェインを多く含む「コーヒー、紅茶、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、玄米茶、コーラ、エナジードリンク」などの飲み物は控えましょう。
番外編:A2ミルク
お腹にやさしい牛乳として近年世界的に注目が高まってきている「A2ミルク」をご存じでしょうか。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする原因の1つとされているのが、乳たんぱく質の1つであるβ-カゼインがA1タイプであるものです。
β-カゼインには遺伝子的にA1タイプとA2タイプがあり、β-カゼインが100%A2タイプの牛乳では、お腹がゴロゴロするといった症状が起こりにくいと言われています。
A1タイプかA2タイプかは人工的に成分調整などを加えているのではなく、単に遺伝子の違いだけなので牛乳のおいしさを安心して味わうことができます。
牛乳による下痢や腹痛でお困りの方は、A2ミルクを試してみてはいかがでしょうか。
但し、乳アレルギーのあるお子様には摂取させないように注意して下さい。
LUCEの「味噌汁」や「ポタージュ」も水分補給にオススメ!
幼児は自分で喉が渇いていることに気付きにくく、遊びに夢中になって意思表示を忘れてしまったり、こまめに水分補給を自発的にすることが難しかったりするため、水分不足になりがちです。
そのため、保護者が意識的に、コップ1杯の水分補給を促してあげたり、食事に汁物を加えたりするなどしてあげましょう。
子どもの食事にあと1品加えたい時には、水分補給と栄養補給ができる、LUCEのお味噌汁やポタージュはいかがでしょうか。
大人用の味噌汁やスープは幼児にとっては味が濃く、塩分の摂りすぎになってしまいますが、LUCEのメニューなら塩分量だけでなく、栄養バランスも考えられたメニューなので、安心して子どもに飲ませてあげられますよ。
参考文献
・日本A2ミルク協会(https://www.japan-a2milk-association.or.jp/)
阿知和 りか